ヘッドマッサージをこよなく愛する円山カヲリのヘッドマニア
ヘッドマッサージの起源はシロダーラが有名な●●●!
「カタイとヤバーイ♪」
男性用頭皮シャンプーの某CM、ご覧になった方も多いかもしれません。
「かなり流行っているらしいよ」と旦那さん情報。
円山家、テレビを4年前に断捨離して以来、CMを見る機会がないので、YouTubeでイメージだけでも!と早速チェック!
(CM動画が終了していましたので、ババセンさんの手技がチェックできる別のYouTubeにリンクを付け替えました。ご了承ください)
https://www.youtube.com/watch?v=rN2JZJAdO-c
インド人ヘッドマッサージ師世界的ゴットハンドと名高いババセンさん。
踊るように、祈るようにヘッドマッサージをしていらっしゃいます。
もう、手首の柔軟さ、リズム感、見ているだけでも、うっとり気持ち良くなっちゃいますね。ブラボー!!!
ふむふむ、と感動しながら
ついに、頭固いことは、ヤバイこと、
シャンプーしながらヘッドマッサージで解消しようぜ、なんて時代になったのか。
と、うなずきながら・・・再生を繰り返す円山^^;
おっと、それにしても、と・・・・・。
みなさん初めにCMをご覧になったとき、疑問に思わなかったでしょうか?
なぜに、ヘッドマッサージをする理容師さんは、インドの方なの?!
実はコレ、ヘッドマッサージとインドの深~い歴史が関係していると円山はみております。
なんと、「シャンプー」の語源はヒンディー語で「●●●●(ヘッドマッサージの意)」だった。
ご存知でしょうか。
そもそも「シャンプー」の語源はインド・ヒンディー語の「チャンピ(=ヘッドマッサージの意)」から来ている!ということを。
そう、愛すべき「ヘッドマッサージ」の源流は「インド」にあり!なのです。
しかも、「インド」仕込みの「ヘッドマッサージ」はここ最近に始まったことではありません。
遡ること、紀元前3000年。インド伝統医学「アーユルヴェーダ」に端を発すると言われています。
WHOも認める「アーユルヴェーダ」とはインド発祥世界最古の医学体系といわれ、肉体・心・精神のバランスをとることが健康の秘訣である、といういわゆるホリスティック医学を提唱しており、いま、あらたに見直されている伝統医学。
サンスクリット語でアーユス(生命、寿命)ヴェーダ(知識、科学)の言語が組み合わされ『生命の科学』の意味を持ちます。
西洋医学が、病気の症状(部分)を取り除く治療医学であるのに対し、アーユルヴェーダは肉体・心・精神バランスを大切にし、より健康に、長寿や若さを保つことを目的とした予防医学といわれる所以です。
王様のためのアーユルヴェーダを、今、貴方のために。
ギリシャ医学、中医学と並び、世界の3大伝統医学である「アーユルヴェーダ」。
もともとは王様への治療に始まり、帝王学の1つとも言われます。
そう、ヨーガ、瞑想、いずれも「アーユルヴェーダ」が内包する古代インドの知恵なのですね♪
余談ですがインドのお近くスリランカでは「アーユルヴェーダ省」という省庁があるんですよ。
世界的に補完療法、代替療法の大切さが見直される流れの中で、伝統医学を国の遺産として保護していくということなのでしょうね。
話はそれましたが、その「アーユルヴェーダ」、基本は言い伝え(伝承)なわけですが、体系化して、三大医書として伝え残されている書があります。
『チャラカ・サンヒター』内科学メイン(おおよそ紀元前8世紀頃、100年頃、9世紀に再編され現在の形に)
『スシュルタ・サンヒター』外科学メイン(おおよそ紀元前600頃、3,4世紀頃に再編)
『アシュタンガ・フリダヤ・サンヒター』編者ヴァーガバーダが上記2冊からイイとこどり。
インドでは一般家庭でも代々伝統的に行われてきた頭部へのマッサージですからその方法や効能がこの古典医書にも、記載されているのです。
不眠には古来より、オイルマッサージ&ヘッドマッサージ
たとえば三大医書の1つ『スシュルタ・サンヒター』では【不眠治療】の改善7項目が紹介されているそうです。
『スシュルタ・サンヒター』には、不眠治療として以下の七つを勧めています。
1.オイルマッサージをする。
2.頭、顔、額に白檀を塗り、香料マッサージをする。
3.入浴、房事(夜の営み)をする。
4.食事・・・甘味、脂肪分に富む食物、ミルクで調整した食物、ブドウ、サトウキビジュース、牛乳と米を混ぜて炊いた物、アルコール飲料、ヨーグルト、牛乳、油性分を含む食品をとる。
5.好みの香水や音楽に親しむ。
6.気持ちが良い柔らかいベッドに眠る。
7.指圧を行う。
上馬塲 和夫医師(帝京平成大学ヒューマンケア学部教授)著『なぜ人は病気になるのか―アーユルヴェーダで超える健康と病気』 2008/1第8章「第一節 ビジネスマンのためのアーユルヴェーダ」332-337頁から引用。
ふむふむ。
7つとも確かに不眠も解消されそうな、とっても気持ち良さそうなこと満載ですね(笑)
世界標準ヘッドマッサージ!1980年代インドの理学療法士がロンドンで開花させる
さてさて、時は過ぎて、1980年代。
このインドで行われていたアーユルヴェーダがベースとなるヘッドマッサージを世界的に広めることになった一人の理学療法士である盲人がいました。インディアンヘッドマッサージ「チャンピサージ」の世界的第一人者「ナレンドラ・メータ」氏です。
アーユルヴェーダが根付くインドで生まれ育ったナレンドラ・メータ氏は、物理療法を学ぶためイギリスに渡ります。そこでマッサージを学ぶわけですが、インドでこよなく愛していた頭部へのヘッドマッサージは授業には組み込まれておらずセラピストは全身のマッサージは行っても頭のマッサージはしないということに愕然とされたそうです。
それまで西洋では、頭部のマッサージを教えるということがほぼされてきていなかったようだということに、はじめて気づかれるのです。幼少期から、お母様からココナッツオイルでヘッドマッサージをうけ、理髪店では必ずヘッドマッサージを受けていたメータ氏は、教えてくれる人がいないのであれば、自分がこのマッサージを西洋に伝えようと思いたち、1978年にインドに帰国、ヘッドマッサージが行われているあらゆる現場をリサーチ。先祖代々受け継がれてきた手法、各世代が改良を加えた独自のやり方、そこに、ご自身が学んだ知識体験を体系的に「インド式ヘッドマッサージ(チャンピサージ)」テクニックとしてまとめます。1981年、このインド式ヘッドマッサージを伝えていこうとしていた矢先に、知人に紹介をうけ、ロンドン総合展示場オリンピアで行われる「心と体と精神」と題したシンポジウムでインド式ヘッドマッサージの講習会を行うことになり、知名度を一気に上げます。その後2009年には、英国王室よりその功績を認められ大英帝国勲章を授章されるまでに「インド式ヘッドマッサージ(チャンピサージ)」は世界的な広がりをみせるようになりました。詳細は、『インディアンヘッドマッサージ 世界的第一人者のチャンピサージテクニック公開』ナレンドラ・メータ著をご覧ください。
いまでは、世界的にもヘッドマッサージが「インド式ヘッドマッサージ」「インディアンヘッドマッサージ」という呼び方をされることが多いのは、ナレンドラ・メータ氏の功績があるためなのですね。
そう、というわけで、随分長い前置きですが、あのシャンプーのCMにはこんな歴史が隠されていたのでした、たぶん(笑)
円山が、自然療法としてのアロマテラピーをはじめた当時も全身ボディートリートメントはあっても、頭へのタッチケアのそのものは授業には組み込まれていませんでした。
ナレンドラ・メータ氏もおっしゃるとおり、歴史的な背景として、西洋において「頭に触れる」という行為がリラクセーションに組み込まれたことがごく最近になってからという背景があるようです。また一般的に言われるように、東洋では、マッサージはお医者さまや民間療法士にとって欠かせない技術の一つとされてきましたが、西洋では、キリスト教的観念から、マッサージそのものが、一時クールダウンの時期があり、ルネッサンス後に復活されたということも大いに関係していると思います。それゆえ西洋では、マッサージそのものが、スウェーデン人のペール・ヘンリク・リングが「スウェーデン式マッサージ」という体系的なテクニックを紹介するまで注目されることがなかったという歴史があります。
いずれにしても、ナレンドラ・メータ氏の登場で、欧米ではヘッドマッサージ熱が高まります。時代背景としても、コンピュータが一般家庭に浸透し、ストレスフルな状況が深刻化されてきたことが一因にあるのは間違いありません。
その後、欧米では、彼の後追いでヘッドマッサージ関連書が相次いで出版され、日本国内では良書の訳本が出されます。さらに、国内では10年ほどのインターバルの後、今、ヘッドマッサージ本が相次いで出版されブームとなっています。
円山の備忘録の色合いが濃いのですが、ヘッドマッサージ業界に関わるセラピストのみなさま、ヘッドマッサージマニアのみなさまのためにも、もしかしたらお役に立つことがあるかもしれない、ヘッド本をリストアップしてみました。古今東西のヘッド本を温かい気持ちで、円山目線で解説しております。出版年が古いものからご紹介いたします。これからも、少しずつ更新して参ります。
【続きは、「愛すべきヘッドマッサージ本」をぜひにご覧ください。マニア受けしているページです(笑)】